バーコード処理

16 分読む 最終更新日 2023年01月11日

バーコード処理は、スキャンされたドキュメントのバーコードを認識して情報を抽出するオプションのノードであり、ドキュメントに含まれるバーコードに基づいて、ドキュメントの分割、名前の変更、注釈付け、スタンプ、インデックス作成、またはルーティングの処理を自動化するために使用されます。この処理ノードを使用して、バーコードメタデータ情報をキャプチャするためのゾーンが作成されます。有効なバーコードの最小の長さは3桁です。このノードは次のファイルタイプで機能します。

  • TIFF
  • JPG
  • PNG
  • BMP
  • PDF
  • XPS

注:

  • PDFファイルからバーコードメタデータを抽出する場合、PDFは[検索可能なPDF]、または[PDFイメージのみ]の種類で、品質が最適化されている必要があります。
  • このノードにはOmniPage OCR エンジンが含まれています。

バーコード処理ウインドウの使用

バーコード処理ノードウィンドウを開くには、バーコード処理用の処理ノードを追加してダブルクリックします。まず、ゾーンを作成するドキュメントをアップロードします。次の図のように、画面の指示に従います。

[バーコード処理]ウィンドウで、バーコード処理のゾーンを定義およびカスタマイズすることができます。

バーコード処理ノード

詳細な情報を確認するには、以下をクリックします。

検出するバーコードタイプ

着信するドキュメントで検出するバーコードのタイプを指定するには、 [バーコードの選択] ボタンをクリックします。認識されたすべてのバーコードをリストしたドロップダウンパレットが表示されます。アプリケーションに検出してもらいたいバーコードの隣にあるチェックボックスに、チェックマークを付けます。

Code 128(チェックディジット転送あり)を選択した場合、検出されたCode 128バーコードはチェックディジット付きでレポートされます。スキャンにおけるエラーを確認するためのチェックディジットは、バーコードの最後の数字になります。Dispatcher Phoenixのバーコードジェネレーターは、チェックディジットなしのCode 128バーコードしか生成しません。そのため、バーコードジェネレーターによって生成されるCode 128バーコードに対して、Code 128オプションを選択する必要があります。

バーコードタイプを選択すると、選択したタイプが[ノードのプロパティ]ウィンドウの [検出するバーコードタイプ] 領域のリストに表示されます。

認識されるバーコード

  • Code 39
  • Code 39(チェックディジット制御および転送あり)
  • Code 39(スタート-ストップキャラクター転送あり)
  • Code 39 フルASCIIモード
  • Code 93
  • Code 128*
  • Code 128(チェックディジット転送あり)*
  • UCCコード128*
  • UPC-A
  • UPC-E(6桁)
  • Codabar
  • Codabar(スタート-ストップキャラクター転送なし)
  • EAN 8/13
  • EAN/UPC(2または5桁の補足コード付き)
  • ITF(Interleaved 2 of 5)
  • ITF(チェックディジット制御および転送あり)
  • Postnet コード

*一度に選択できるのは、これらのオプション(UCCコード128、Code 128、およびCode 128(チェックディジット転送あり))の1つだけです。

ゾーンリスト

この領域には、当該ノードのすべての定義済みゾーンが表示されます。この領域では、以下の操作を実行できます。

ゾーンの追加オプションにアクセスするには、以下に示すように、[ゾーンリスト]領域の右上にあるアクション アイコンをクリックして [コンテキストメニュー] メニューを開きます。

ゾーン 領域の3つのドットをクリックすると、次の操作ができるコンテキストメニューが開きます。

メニューオプション メニューアクション キーボードショートカット
すべてのゾーンを表示/非表示 キャンバス上のすべてのゾーンの表示を切り替え、非表示の場合はリスト内の各ゾーンの横に「非表示」アイコン アクション を表示します。現在の選択に、表示されているゾーンと非表示のゾーンが混在している場合、このオプションをクリックすると、すべてのゾーンが非表示になります。 F6
すべてのゾーンを削除 ゾーンエディター / キャンバス からすべてのゾーンを削除します。 Ctrl+Shift+Del

ゾーンの横にある3つのドットをクリックすると、次の図のようなメニューが開きます。

メニューオプション メニューアクション キーボードショートカット
ゾーンを表示/非表示 次の表を参照 次の表を参照
削除 ゾーンエディター/キャンバスから単一のゾーンを削除します。 Del
名前の変更 右クリックのコンテキストメニューからゾーンの名前を変更します。 F2
このゾーンをテスト ユーザーが個々のゾーンをテストおよびデバッグできるように、1つのゾーンを実行してテストします。 F5

ゾーンを表示/非表示 の2番目のメニューには、より多くのオプションがあります。

メニューオプション メニューアクション キーボードショートカット
すべてのゾーンを表示/非表示 キャンバス上のすべてのゾーンの表示を切り替え、非表示の場合はリスト内の各ゾーンの横に「非表示」アイコン アクション を表示します。現在の選択に、表示されているゾーンと非表示のゾーンが混在している場合、このオプションをクリックすると、すべてのゾーンが非表示になります。 F6
このゾーンを表示/非表示 キャンバス上のゾーンの可視性を切り替えます。 F7
これ以外のすべてのゾーンを非表示 選択したゾーンを除く、キャンバス上のすべてのゾーンを非表示にします。 F9

このノードは、追加のアクションもサポートしています。

メニューオプション メニューアクション キーボードショートカット
選択したゾーンをテスト 選択した複数のゾーンを実行およびテストして、ユーザーが選択した複数のゾーンを一度にテストおよびデバッグできるようにします。 F5
選択したゾーンを削除 ゾーンエディター/キャンバスから選択したゾーンを削除します。 Del

注: 表示/非表示削除名前の変更このゾーンのテスト オプションには、プレビュー領域でゾーンを右クリックして現われるメニューから選択してアクセスすることもできます。

プレビュー領域

プレビュー領域には、定義済みゾーンが表示されるサンプルドキュメントが表示されます。プレビュー領域を使って次の操作ができます。

  1. ゾーンの境界ボックスの [サイズを変更] するには、その境界ボックスを選択して、適切なハンドルをドラッグしてボックスを希望のサイズに変更します。

  2. ゾーンの [位置を変更] するには、境界ボックスをクリックしてから、ボックスを希望の位置にドラッグします。

  3. 長方形領域の [複数のゾーンを選択] するには、マーキー枠をマウスでドラッグして選択対象のゾーンを囲みます。この操作は、空白領域から開始する必要があります。別の方法として、1つのスタンプを選択した後に[Shift]キーを押しながら別のスタンプを選択することで、複数のスタンプを選択できます。

  4. ゾーンを [削除] するには、そのゾーンを選択してから、キーボードの[Delete]キーを押します。確認メッセージが表示されます。

  5. ツールバーの [アップロード] アイコンをクリックして別のドキュメントを選択して 別のサンプルドキュメントをアップロード します。元のドキュメントにゾーンを定義した場合は、新しいドキュメントを選択した後にポップアップウィンドウが表示されるため、ゾーンを保持するか破棄するかを選択する必要があります。

ツールバー

ウィンドウの上部にあるツールバーで、ゾーンの詳細定義、およびノードプロパティウィンドウのビューをカスタマイズできます。

ツールバーのドロップダウンパレットを使う場合、 [Enter] キーを押すか、パレットの外側のどこかをクリックすると、変更がゾーンに適用されます。

ツールバーアイコン 説明
[ゾーンテストを実行] このアイコンをクリックして、定義したゾーンをテストします。
[ゾーンテストの設定] このアイコンをクリックして、タイムアウトが発生するまでの通信なしの時間に割り当てられた秒数を変更します。
[ゾーン座標] このアイコンをクリックして、ゾーンの具体的な座標を設定します。 [幅] フィールドと [高さ] フィールドに値(ピクセル単位)を入力して、ゾーンのサイズを変更できます。 [左] フィールドと [上] フィールドに値(ピクセル単位)を入力して、ゾーンの位置を移動することもできます。
[ゾーンのページ範囲] このドロップダウンパレットを使用して、当該ゾーンを適用するページを指定します。オプションは次のとおりです。
  • [許容範囲内のすべてのページ] - このラジオボタンを選択すると、当該ゾーンが指定された範囲内のすべてのページに適用されます。これにより、1ページ目に設定されているゾーンが、(処理を指定したページ範囲が[すべてのページ]の場合)ドキュメントの残りのページに自動的に適用されます。
  • [使用可能な範囲の次のページのみ] - このラジオボタンを選択して、表示されている空のフィールドにページ範囲を入力すると、指定された範囲内の特定の範囲のページだけに当該ゾーンが適用されます。
これらの設定は、[新しいゾーンを追加]パレットでゾーンを最初に作成する際にも行うことができます。
[削除] このアイコンをクリックして、選択したゾーンを削除します。
[ページ] 矢印をクリックして、サンプルドキュメントのページ間を移動します(可能な場合)。
[サンプルドキュメント] このアイコンをクリックして、[プレビュー]領域で使用する別のサンプルドキュメントを見つけてアップロードします。
[実際のサイズ(100%)] プレビューのサンプルドキュメントを元のサイズに戻すには、このアイコンをクリックします。
[幅に合わせる] [プレビュー]領域の幅に合わせてサンプルドキュメントを拡大するには、このアイコンをクリックします。
[ページ全体] サンプルドキュメント全体が[プレビュー]領域にちょうど収まるように表示するには、このアイコンをクリックします。
[ズームコントロール] 虫眼鏡アイコンまたはスライドバーを使用して、[プレビュー]領域をズームイン/アウトします。

バーコード処理 ウィンドウの使用

バーコード処理ウィンドウでは、バーコード処理のゾーンの定義とカスタマイズができます。このウィンドウを設定するには、次のオプションがあります。

  • [有効] - 現在のワークフローでこのノードを有効にするには、このボックスをオンにします。ボックスを空白のままにすると、ワークフローはノードを無視し、ドキュメントはノードが存在しないかのように通過します。無効化されたノードは、ロジックまたはエラー状態をチェックしないことに注意してください。

  • [ノード名] - ノード名は既定でこのフィールドに入力されます。この名前は、ワークフローのノードアイコンの下に表示されます。このフィールドを使用して、ワークフローでの使用を示すノードの意味のある名前を指定します。

  • [説明] - このノードのオプションの説明を入力します。ワークフローに複数の処理が含まれている場合、説明は複数の処理を互いに区別するのに役立ちます。説明が長い場合は、フィールドの上にマウスを置くと、その内容全体を読み取ることができます。

ボタン

  • [詳細設定] - 高度なOCR設定 ウインドウにアクセスするには、このボタンをクリックします。
  • [ヘルプ] - Dispatcher Phoenixのオンラインヘルプにアクセスするには、このボタンをクリックします。
  • [保存] - ノード定義を保持してウィンドウを終了するには、このボタンをクリックします。
  • [キャンセル] - 変更を保存せずにウィンドウを終了するには、このボタンをクリックします。

注: このノードを保存するには、少なくとも1つ以上のゾーンを作成する必要があります。

バーコード処理ノードのプロパティウィンドウを設定するには、以下の操作を行う必要があります。

  1. 検出するバーコードのタイプを選択します。

  2. ゾーンを定義します(手動または自動)。

  3. ページ範囲を指定します。

サンプルドキュメントのアップロード

ツールバーの [アップロード] をクリックすると、ゾーンを作成できる独自のサンプルドキュメントをアップロードできます。 [アップロード] をクリックすると、次の図のように、「サンプルを開く」参照フォルダーが表示され、そこから適切なドキュメントを選択できます。

検出するバーコードの指定

[バーコードの選択] ボタンをクリックして、アプリケーションに検出するバーコードの種類を指定する必要があります。

ゾーンの作成

ゾーンは、OCRエンジンのページの特定の領域を定義する境界線であり、手動または自動で作成できます。ドキュメントの処理方法を正確に制御するには、次の手順でゾーンを手動で作成できます。

  1. [新しいゾーンを追加] - 次の図のように、このボタンをクリックしてドロップダウンパレットを表示します。

  2. [新しいゾーンを追加]ドロップダウンパレット上で、以下の操作を行います。

    • [ゾーン名] - ゾーンを識別する名前を入力します。

    • [左]および[上] - 値(ピクセル単位)を入力して、ドキュメントの左右からゾーンを配置します。

    • [幅] - 値(ピクセル単位)を入力して、ゾーンの適切な幅を定義します。

    • [高さ] - 値(ピクセル単位)を入力して、ゾーンの適切な高さを定義します。

    • [ゾーンのページ範囲] - ゾーンが適用されるページを指定します。オプションは次のとおりです。

      • [許容範囲内のすべてのページ] - 指定された範囲内のすべてのページにゾーンを適用するには、このラジオボタンを選択します。これにより、1ページ目に設定されているゾーンが、(処理を指定したページ範囲が[すべてのページ]の場合)ドキュメントの残りのページに自動的に適用されます。

      • [使用可能な範囲の次のページのみ] - 指定された範囲内の特定のページ範囲だけにゾーンを適用するには、このラジオボタンを選択し、次に表示されている空のフィールドにページ範囲を入力します。たとえば、5ページのドキュメントの場合、次のいずれかが受け入れ可能なエントリです。

        • 1-3
        • 1,2,5
        • 1&4
        • 1-3,5
        • 1-3, 5
  3. [保存] - このボタンをクリックして設定を保持し、ウィンドウを終了します。ゾーンは、プレビュー領域の指定された場所に表示されます。

  4. [キャンセル] - 変更を保存せずにドロップダウンパレットを終了するには、このボタンを選択します。

ゾーンのテスト

ゾーンが作成され、バーコードタイプが選択されると、ツールバーの [ゾーンテストを実行] アイコンを使用してゾーンをテストできます。これにより、次のようなゾーンに関する情報が返されます。

  • ゾーン名
  • ゾーン内のバーコードタイプ
  • バーコードの結果

バーコード値が検出された任意のゾーンの値を右クリックしてコピーを選択すると、その値をコピーできます。

テスト機能を使用する場合、ゾーンを選択して右クリックし、 [このゾーンをテスト] を選択するか、複数のゾーンを選択して右クリックし、ツールバーの [選択したゾーンをテスト] または、 [すべてのゾーンをテスト ボタンをクリックして、個々のゾーンまたは複数のゾーンをテストできます。複数のゾーンを選択するには、次の 2 つの方法があります。

  1. マウスをクリックしてドラッグし、一度に複数のゾーンをハイライトします
  2. 複数のゾーンを選択するには、CTRL + クリック を使用します

下の図を参照してください。

テスト済みゾーンの値をコピーするには、次の2つの方法があります。

  1. ゾーンを右クリックし、 バーコード値をコピー を選択します。
  2. ゾーン結果クエリーセクションで、ゾーン結果を右クリックし、 コピー を選択します。
メニューオプション メニューアクション キーボードショートカット
ゾーン値をWindowsクリップボードにコピー 検出されたゾーン値をWindowsクリップボードにコピーします。このコマンドには、ゾーン結果の右クリックコンテキストメニューからアクセスできます。 Ctrl+c

注:

  • マウスをゾーンの上に置くと、テストされたゾーンの値を確認できます。
  • 領域の端をクリックしてドラッグすると、プレビューセクションとゾーン結果クエリーセクションのサイズを調整できます。

処理するページ範囲の指定

[処理するページの範囲] 領域では、バーコードゾーン処理時に処理するページを指定できます。オプションは次のとおりです。

  • [すべてのページ] - すべてのページを処理します。

  • [すべての偶数ページ] - 偶数ページを処理します。

  • [すべての奇数ページ] - 奇数ページを処理します。

  • [最初のページ] - 最初のページだけを処理します。

  • [最後のページ] - 最後のページだけを処理します。

  • [独自のページ範囲を定義] - 任意のページ範囲を処理します。このオプションを選択すると、ページ範囲を入力するための空のフィールドが表示されます。次の操作を行います。

    • カンマ記号やドキュメントの開始からカウントするダッシュ記号(あるいはその両方)を使って、ページ範囲を指定します。たとえば、「1, 2, 5-7」と入力すると、1、2、5、6、7ページが処理されます。

    • ページ範囲内でスタンプを押す並びを指定するには、カッコを使用します。たとえば、「1-10(3)」と入力すると、1~10ページが2ページおきに処理されます。

    • 最後のページを指定するには、「end」を使用します。たとえば、「end(-5) - end」と入力すると、20ページのドキュメントの15~20ページ目が処理されます。

    その他の例は次のとおりです。

    • 20ページのドキュメントの1、2、5、6、7、19ページを処理するには、「1,2,5-7,end(-1)」と入力します。

    • 20ページのドキュメントの10~15ページを処理するには、「10-end(-5)」と入力します。

    • 20ページのドキュメントの10~15ページを1ページおきに処理するには、「10-end(-5)(2)」と入力します。

    • 25ページのドキュメントの15~20ページを処理するには、「end(-10)-end(-5)」と入力します。

    • 20ページのドキュメントの10~20ページを処理するには、「end(-10)-end」と入力します。

注: 入力ドキュメントのページ数に対応しないページ範囲を指定した場合(たとえば、3ページのドキュメントのページ10〜20を処理する場合)、ファイルはエラーで出力されます。

バーコードメタデータ

バーコードゾーンが定義されると、ワークフロー内の他のノードから参照できるようになります。

バーコードゾーン参照の構文は次のとおりです。{bar1:zone.nameofzone.[<page>]}。これにより、このゾーンで抽出された値が提供されます。

OCRアプリケーションがゾーン内の値を見つけた場所の構文は{bar1:zone.nameofzone.[zonecoordinate]}です。ここでの、[zonecoordinate]はピクセル単位で定義されるように、「上」、「左」、「幅」、または「高さ」のいずれかです。

以下の図に示すように、メタデータブラウザーウィンドウを使用してバーコードゾーン変数を選択することもできます。